放射線技術センターは放射線科医2名、診療放射線技師19名、看護師3名、放射線科助手2名で、日常業務を行っています。
一般撮影は全てFPDシステム、X線テレビ3台(長尺撮影、トモシンセシス対応機)乳房撮影装置1台、MDCT3台(80列、80列、64列)、MRI2台(1.5T)、血管撮影装置1台(バイプレーン)、体外式結石破砕装置1台、移動型X線撮影装置4台、移動型X線透視診断装置5台、3D画像処理用ワークステーション等で構成され、ハイエンドの機器を導入し、これらを操作するスタッフについても各モダリティの認定技師を配置しています。
放射線技術センターの特徴として一般撮影、X線TV、CT、MRI、血管撮影などは24時間365日対応していて、切れ目のない2次救急医療の役割を果たしています。また、スタッフは研修会等に積極的に参加し、高度医療機器のオペレーターとして常日頃から勉学に励んでいます。また、当センターでは診療放射線技師養成機関からの学生の臨床実習を積極的に受け入れています。
とちぎメディカルセンターしもつが放射線技術センター基本方針
1.患者さん中心の検査を心掛けます。
2.高度な画像検査、精度を堅持します。
3.迅速で的確な画像検査情報の提供に努めます。
4.医用被曝の低減に努めます。
5.知識と技術の向上に努めます。
この5つの基本方針を念頭に置き、先端医療の担い手として地域医療に貢献するようスタッフ一同努めてまいります。
IVR(Interventional Radiology) とは、X線透視像、血管造影像を見ながら、カテーテルと呼ばれる細い管を用いて、外科手術なしに病気を治療する方法です。体への負担が少なく、病気の場所だけを正確に治療することができます。また、治療に伴う肉体的・精神的苦痛の軽減だけでなく、入院期間の短縮、早期社会復帰など社会的な負担軽減にもつながるため、この技術は今後ますます重要視されていくものと思われます。
当院では、全身領域のIVRに対応できる、ハイブリッドバイプレーンシステムを搭載した血管撮影装置が導入されています。二つの方向から同時に撮影を行うことで治療時間を短縮でき、造影剤使用量の低減にもつながります。また、効果的な低線量化を実現する被ばく低減プログラムと多彩なアプリケーションを統合した先進の画像処理により,トレードオフの関係にある「低被ばく」と「高画質」を高次元で可能にします。正面用床置型アームは,旋回機能を搭載しており、テーブルとの連動によって、患者さんを乗せ換えることなく、頭頂から足先まで、180cm以上の透視・撮影に対応できます。
このような装置の特徴を活かし、患者さんの病態や病期に見合った適切なIVRを選択することで、患者さんのQOL向上を目指します。
MRI装置(磁場強度1.5テスラ)が2台導入されています。
MRI検査は暗くて狭い筒に入って検査を行うというイメージがありますが、当施設のMRIは70cmという広い開口部と145cmという短いガントリ(筒)により、開放的な検査環境を実現しています。これにより患者さんはより安心かつ快適に検査を受けることが出来ます。また、同じ装置を2台備えることで、殆どの検査が装置を選ばず行えます。更に検査部位に応じた専用コイルを各種揃えていますので、頭の先から指の先まで、より高画質の画像を得ることが出来ます。検査の種類によってはMRIの欠点でもある大きな騒音を低減することもできます。
MRI装置
各種専用コイル
当院では、80列マルチスライスCT(MDCT)2台、64列MDCT1台の計3台のCTが稼動しております。
80列マルチスライスCTは、0.5mm*80列検出器が搭載され、0.35秒回転のヘリカルスキャンにより、広範囲を高速かつ高い分解能で撮像し鮮明な画像を提供しています。息止め困難な場合や広範囲の検査でも約10秒の撮像時間で容易に検査を行うことができます。当機種は速いだけではなく、放射線被ばくを従来機種より抑えることができる技術や、金属などのアーチファクトを低減できる技術が採用されているため、体に負担をかけることなく検査を受けることが可能です。
予約の検査はもちろん緊急時の検査に対しても3台のCT装置が稼働しておりますので、ほとんど待ち時間なくスムーズに検査を進めることができます。
80列MDCT
80列MDCT
64列MDCT
金属アーチファクトを低減した画像
さらに、ハイエンドの3D医用画像処理ワークステーションを設置しています。CTやMRIなどから得たデータを画像処理し、3次元表示や定量解析を行うことで診断をサポートする医用画像処理装置です。血管や骨の描出は当然ながら、心臓領域などの解析にも精度の高い評価が可能です。臨床に役立つ様々な画像を提供しています。
心臓解析
下肢動脈造影
肺動静脈3D
脳血流解析
マンモグラフィとは乳がんを診断する方法のひとつで、乳房専用のレントゲン撮影のことです。マンモグラフィ検査では、乳房内の乳腺を画像化し、腫瘤や石灰化などの乳がんのサインを発見することができます。
乳房の厚さが薄いほどマンモグラフィ画像はより鮮明に撮影でき、また、使う放射線の量を少なくすることができます。そのため、撮影の際は装置で乳房を直接圧迫して撮影を行います。当院でのマンモグラフィ検査はすべて女性技師が撮影を行っています。
2023年3月、当院は厚生労働省が定めるマンモグラフィ検診施設画像認定施設を更新することができ、病院としての技術力や安全性が高く評価されたことを示しています。
乳がんは現在女性がかかるがんの第1位です。そして30代から60代女性の死亡原因の第1位です。40歳以上の方は1~2年に1回の乳がん検診が推奨されています。
定期健診又は早めの受診を心がけ早期発見をしましょう!
マンモグラフィ装置
脊椎全体を1枚の画像として撮影します。脊椎がどのように、どれくらい側弯している(曲がっている)のかを観察・計測します。腰椎・骨盤アライメントは、加齢や脊椎変性、股関節疾患による影響を受け、腰痛疾患の発生に影響を及ぼすことが報告されています。脊椎変形による歩行障害の治療において全脊椎撮影は非常に有用です。
検査は数秒で撮影でき、整形外科領域にて金属が埋め込まれた部位の状態確認などに 有用です。一般のX線撮影では、金属の入っている場所はその影響でどの様な状態か判別できませんが、トモシンセシスでは可能となります。
一般撮影
トモシンセシス