とちぎメディカルセンターは地域完結型医療を目指して設立されました。
その中で当院は急性期医療を担っており、高度な医療行為にも対応している病院となっております。
それに対し使用する医療機器においても高度・複雑化してきており、より安全、確実な医療行為が安定して提供できるよう院内生命維持管理装置を含めた医療機器の操作、保守、点検、管理を医師の指示のもと行っております。
また、最新の医療機器における操作技術や知識、その他点検・管理方法の習得、向上の為に臨床工学技士会や各種学会等に積極的に参加しています。
臨床工学センター 技士長 高徳 秀幸
とちぎメディカルセンターしもつが
臨床工学センター基本方針
1)安心・安全な医療を提供するために努力します。
2)効率的な技士業務ができる環境づくりに励みます。
3)技士業務の健全化を図ります。
当院における臨床工学センターの業務としましては、以下にありますように大きく5業務に分かれております。
なるべく臨床工学技士がそれぞれの業務に携わるようにしており情報伝達、把握が密になるよう心掛けております。
・ 透析業務 *穿刺(エコーガイド下穿刺含む)、返血対応、透析コンソール機器における保守、整備
*G-CAP等アフェレシス治療にも対応しています
・ 循環器関連業務 *心臓カテーテル業務 *ペースメーカー埋め込み時機器操作業務
*心臓カテーテル検査術野内清潔介助業務等
・ 医療機器管理業務 *保守・修理対応、一部消耗資材管理業務含む
・ CART(腹水濾過濃縮再静注法)業務
・ BA(ブラッドアクセス)関連業務 *シャントPTA及び,長期留置カテーテル挿入における清潔野内術野介助業務、
及び、関連資材管理*シャント血流、スリル音聴診による確認
透析治療業務
末期腎不全になり腎機能が悪化した状態となってしまった際行われる腎代替療法の一つであり、写真にあるような医療機器を用い拡散(濃度差による物質の移動)と限外濾過 (圧力差による物質の移動)により透析が行われます。
また、腎臓機能の悪化に伴う貧血や腎性骨異栄養症等に対しては薬物投与等により対応を行います。
臨床工学センターでは上記の透析が安全に行われるよう機器の定期的な保守、メンテナンスを行っております。
循環器関連業務
心臓カテーテル検査におけるポリグラフを使用した計測業務の他IVUS(超音波血管内撮影)操作、FFR測定、IABP操作、テンポラリー等一時ペーシング対応業務、恒久的ペースメーカー挿入時における機器操作等の他清潔野における術野内介助業務にも対応しております。又、上記以外における業務においても必要時において適宜対応していけるよう技術・知識の習得、熟達化に努めております。
医療機器管理業務
医療機器保守点検、修理対応業務
院内各病棟にて使用する輸液・シリンジポンプの他、急変時に使用する緊急性の高い人工呼吸器等を必要時に過不足なく使用できるようMEセンター内にて中央管理し、準備しています。
その他AEDや除細動器、酸素流量計、ネブライザー、気管切開物品等の機器や消耗品の管理も併せて行っており、安全性と効率性の向上に努めております。その他院内にて発生した様々な医療機器における不具合、故障等に対しも対応しており、各機器の特性や故障内容などを考慮し適宜修理、代替機の手配等も行い院内における医療安全を確保できるよう業務に当たっております。
CART(腹水濾過濃縮再静注法)業務
・ 腹水・胸水を濾過、濃縮し患者へ戻すことにより全身・栄養状態の改善により、患者のQOL向上につながる治療であるCART業務にも対応しており腹水の状況にも適切な対応を行い、よりよい業務となっていくよう新しい情報の取得に努めると共に技術の向上に努めております。
BA(ブラッドアクセス)関連業務
・ 透析治療にて不可欠であるBAにけるトラブルに対して、接することの多い日常業務時において定期的に血流量の測定、スリル音の聴診等を行い異常について早期発見でき医師へお伝えできるよう看護師、放射線技師等との連携しながら業務に当たっております。又、シャントPTA時における術野内介助だけでなく臨時、緊急での透析治療時において必要な長期・短期留置カテーテル挿入時における介助業務も行っています。
臨床工学技士からの声
臨床工学技士というとどのような職種なのかわからず、さらには堅苦しいイメージを持たれてしまう場合もあります。しかしそのようなことはないと皆様に思われるよう、機器と患者さんの橋渡しの存在になるべく日々努力していきますのでよろしくお願いします。